先日の話
夜七時、予約をされていた女性の患者さんが、怯えた様子で入ってこられました
院内に入ってからも、窓をのぞいたりして、しきりに外を気にしています
先に治療をしていた患者さんが帰られたので、
「どうしました？」
と声をかけると、
「外に変な男の人がいます」とのこと
外をのぞいてみると、もう誰もいませんでした
治療をはじめながら詳しく話を聞くと、
院内に入ろうとしたときに、前から歩いて来たその男と一瞬目が合った
その瞬間、その男が急に方向を変え、来た道を戻っていった
身なりや挙動が、あからさまに怪しかった
とのこと
治療しながら、その男の服装や体格、顔つきなどを聞きました
歳は３０代くらい、
背はそんなに高くなく、短髪
上はドカジャンを着ていて、下はジャージ
眉が太く、目がぎょろっとしている・・・
「刺されるかと思いました」
そう話す患者さんの恐怖は、とても大きかったようです
そして僕は、怯える患者さんにそっと言うのでした
「すみません、それ友達です・・・」
不審者の正体は、院の近所に住んでいる地元の友達でした
患者さんがいない時にちょこちょこ顔を出すんですが、その日の午前中にも一度来たので、服装を聞いてすぐわかりました
まあ確かに挙動不審か・・・
女性に手を挙げるようなことは絶対にしない、一般的には安全な男なんですけどね
後にその友達に話を聞いたところ、
職場でお菓子をたくさんもらったので、おすそ分けで僕に届けようと思い、患者さんがいないと思って院の前に来た
が、ちょうど院内に入っていく患者さんがいたため、仕方なく引き返した
ということだったそうで
怖がらせてしまった患者さんには申し訳なかったですが、
お菓子を届けに来てくれたのに不審者に間違われた友人が、少々不憫に思えました
ちょっと面白かったですけど
お菓子はおいしくいただきました
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