奴の存在には薄々気づいていました
院内の隅を動き回る影
しかしいざ探すと、なかなか見つからない
もしも患者さんがいるときに出てこられたら大変
そんなあいつと、ついに対峙することとなりました
決戦は仕事終了後の掃除中
トイレの中で奴を発見
想像以上の大きさに驚きました
タランチュラか？と思うほどの大きな蜘蛛
田舎の虫はなぜこうも巨大なのか
「時は来た！」
ノズルを外した掃除機を手に取り、いざ決戦のトイレへ
人間の文明なめんなよ！
が、
奴の体は掃除機の吸込み口よりも大きく、
さらに強靭な足でマットのしがみつき、まったく動きません
文明敗北
何度となく攻撃を繰り返しましたが、すべて防がれ、一旦ドアを閉め一人戦略会議
叩き潰すのは嫌だし、かといって手で摑まえるのも嫌
激論の末、もう一度掃除機で立ち向かうことになりました
しかし先ほどとは少々違います
掃除機にたまっていたゴミを捨て、フィルターをきれいにし、吸引力の強化を図りました
いざ再戦
敵も必死
そして約５分の激戦の末、
ついに奴は掃除機の中でくるくる回ることとなりました
結局、そのあと外に逃がしました
武士の情け
御先祖は農民ですが
「蜘蛛の糸」という話が本当ならば、これで地獄に落ちても大丈夫です
以上、日常の中にある負けられない戦いでした
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