昔、先輩の先生に言われた事があります
「治療に来て、足がポカポカして帰るのと、足が冷たいまま帰るの・・・患者さんにとって、どっちがいいと思う?どっちがまたここに来たいと思う?」
当然、ポカポカして帰る方がいいに決まっています
冷え性の多い女性の患者さんには、足元が冷えないように気を付けていたつもりでした
そう答えると、
「本当にわかってるかな?」
とだけ言って先輩はその先は教えてくれませんでした
「どういうことだろう?」
と、頭の隅っこに置いたまんまにしていた数年後、ある本を読んでいて、先輩の言っていたことがわかった気がしました
その本は治療とは何にも関係のない、マーケティングか何かの雑誌だったと思います
なるほど、そういうことか・・・ということで、すぐに実行してみました
まずは自分で、患者さんと同じように、治療にかかる時間と同じくらいベッドに寝てみる
僕は冷え性ではありません
が、
足元が冷えるんですね
タオルをかけていても
ただ、これは意識しないとわからない
意識しなければ、「冷える」と感じない程度です
今度は、女性患者さんにするのと同じように、足元に電気毛布をかけて同じ時間ベッドに寝てみました
意識しなくとも、無条件で温かくて気持ちいい
足元が温まり、ポカポカし、体がリラックスして眠くなります
冷え性などない男でも、電気毛布の有無、つまりは「温める」か「何もしないか」でこれだけの差があるんです
どちらで患者さんに帰っていただいたら良いかは明白
「あそこへ行くと、ポカポカとしたいい気持ちで帰られる」
そう患者さんは思うでしょう
「寒い」と思っていなくとも、口に出すほどのものではなくとも、足元ってのはやっぱり温めたら気持ちがいいんです
体が喜ぶんです
そして患者さんは、「つらいときはあそこへまた行こう」という気持ちになる
そう、「無意識の中」で
昔修行させてもらっていた鍼灸院も、温めることをとても重要視していたことを思い出しました
「口に出すほどではない『無意識レベルの冷え』に気づいて、それに対処できているか?」
先輩が言っていたのは、そういうことでした(確認はしていませんが、たぶん)
そして冷えに限らず、
いかに相手の「無意識レベル」のものに気付き、対処できているかどうか
それが重要なことの一つだと気付きました
どんな業種でも、何事にも共通して言えることだと思っています
ただ、
当院の受付に置いてあるカクレモモジリが、患者さんの無意識の中でどう判断されているかどうか
それは全くわかりません
あえて気にもしません
だって大好きなんです
だからいいんです